第6回RIZAP鼎談ゲスト:梅崎司選手(Jリーグ・湘南ベルマーレ所属)

ダイエットの先にある「健康」へのコミット――。次のステージを目指すRIZAPのトーク企画第6弾のゲストは湘南ベルマーレの梅崎司選手。若くして日本代表に選出され、欧州でのプレー経験もある。国内のビッグクラブでのプレーを経て今季からRIZAPグループの仲間入りをした湘南ベルマーレに移籍し、キレのあるプレーを披露している。腰や膝の故障をきっかけにコンディショニングの重要性を痛感し、さまざまなトレーニングに取り組んでいる。30歳を過ぎてなお最高のパフォーマンスを維持する秘訣とは何か。6月下旬よりベルマーレのパフォーマンスアップチーフトレーナーを務める管野翔太さんとともに「コンディショニング」について語り合った。司会はスポーツジャーナリストの二宮清純さん。

怪我で痛感したコンディションニングの大切さ

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ダイエットの先にある「健康」へのコミット――。次のステージを目指すRIZAPのトーク企画第6弾のゲストは湘南ベルマーレの梅崎司選手。若くして日本代表に選出され、欧州でのプレー経験もある。国内のビッグクラブでのプレーを経て今季からRIZAPグループの仲間入りをした湘南ベルマーレに移籍し、キレのあるプレーを披露している。腰や膝の故障をきっかけにコンディショニングの重要性を痛感し、さまざまなトレーニングに取り組んでいる。30歳を過ぎてなお最高のパフォーマンスを維持する秘訣とは何か。6月下旬よりベルマーレのパフォーマンスアップチーフトレーナーを務める管野翔太さんとともに「コンディショニング」について語り合った。司会はスポーツジャーナリストの二宮清純さん。

<過去の自分との比較>

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二宮清純: 梅崎選手は約10年プレーした浦和レッズから今季、湘南ベルマーレに活躍の場を移しました。移籍の理由は?

梅崎司: 年齢的なこともありレッズでは状況に合わせてバランスを取りながらセーフティにプレーすることが多くなってきていました。でも、僕は試合を決定づけるプレーや、チームが苦しい時に仕事ができる選手になりたい。そうであり続けたい。そう思ってベルマーレへの移籍を決断しました。

二宮: ベルマーレの雰囲気はどうですか。

梅崎: どのクラブでも経験したことがないくらいピリッとした雰囲気でトレーニングができています。試合と同等、もしかしたらそれ以上の緊張感があります。

二宮: この雰囲気を「部活みたいだ」と表現する人もいるそうですね。

梅崎: プロの世界でこの緊張感を作り出せるのは曺貴裁(チョウキジェ)監督だからこそ、だと思います。練習から100%で激しくぶつかり合う。この環境は素晴らしいですよ。

二宮: パフォーマンスアップチーフトレーナーの管野さんに伺います。6月下旬からベルマーレに常駐されていますが、選手たちの練習に対する姿勢は?

管野翔太: 練習で“ここまでやるの!?”とびっくりしました(笑)。練習量にも驚いたのですが、選手ひとりひとりのサッカーに対する向き合い方がすごい。ベルマーレの選手のサッカーに向き合う姿勢には本当に感服です。

二宮: チームはリーグ戦で13位(9月6日現在)ですが、ここから巻き返したいですね。

梅崎: 結束力はありますが、“自分のプレーで相手の守備を打開するんだ”という意識が、まだ低いかなと思います。加入当初は僕もチームプレーに重きを置いていましたが、そろそろ慣れてきましたし、ドリブルで状況を変えるプレーを意識的に行ってみようと考えています。

二宮: チームコンセプトや方向性は悪くない。だが、各々がもう少し良い意味でエゴイストにならないと現状を打破できない、と。

梅崎: おっしゃる通りです。僕をはじめ、そういう選手が2人、3人と出でくればもっと相手にとって怖い攻撃が仕掛けられるはず。そうすれば、このチームはもう1つ上のレベルに行けると思います。

二宮: 曺監督も梅崎選手のキレ味鋭いドリブルを期待して獲得を熱望されたのでしょうね。

梅崎: 移籍前の交渉の段階で、すでに曺監督から「オマエはもっと積極的に仕掛けるプレーがしたいんじゃないのか?」と言われました。僕は加入1年目ですがチームを引っ張っていきたい。そんな強い決意を持ってベルマーレに移籍したわけですから……。

二宮: 曺監督の指示は?

梅崎: 昔の僕と今の僕を比較しますね。「オレの知っているオマエはもっとアグレッシブだ!」とか。過去の自分と比較させる監督はあまりいないと思います。昔の自分を取り戻すんだ、と意識させてくれます。それが良い方向に進んでいますね。

二宮: 梅崎選手の魅力はカミソリのように鋭いドリブルです。プレースタイル上、体のキレが大事になってきますね。

梅崎: トレーニングでは常々、試行錯誤しながら、いろいろなことにトライしています。経験を積み自分に何が合って、何が合わないかを感覚的に掴めるようになってきました。

二宮: 専門家の管野さんから見て、梅崎選手のコンディショニングに対する意識は?

管野: 人一倍高いと思います。国内のビッグクラブや海外でのプレー経験があり、そして代表でもプレーされた。たくさんの人と出会い、自分で仕入れた情報をもとにトライ&エラーを繰り返して、今の梅崎選手があるんだと思います。

二宮: この2カ月で具体的なアドバイスは?

管野: アドバイスというよりお手伝いをしている感じでしょうか。梅崎選手が今、どんなことを感じているのかを私もしっかり把握した上でいろいろと話し合っています。選手のフィーリングが一番大事だと思いますので。それと……。

二宮: それと?

管野: 梅崎選手と話す時、やっと緊張しなくなってきました。これからもっと円滑にコミュニケーションが取れると思います。

梅崎: えっ! 緊張してたの(笑)!?

管野: 緊張しますよ(笑)。学年で言うと私は梅崎選手の2つ下で、柏レイソルユースでプレーしていました。私たち世代からすると梅崎司といえばスーパープレーヤーですもの!

梅崎: いやいや、全然そんなことないから(笑)

<重心移動がカギ>

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二宮: 2人が今以上に密にコミュニケーションを取ればもっとコンディションは上向きそうですね(笑)。

梅崎: 管野がベルマーレに入ってくれて本当に助かっています。プレーヤーは理屈ではなく、フィーリングも大事にしたいんです。抽象的なイメージしか伝えられないんですけど、管野は僕のプレーを理解してくれるし細かい部分までチェックしてくれるんです。

二宮: 細かいところとは?

梅崎: 僕が「あの試合のあの動きはどうだった?」と聞くと、管野は「重心移動が良かった」とか「姿勢が良かった」と答えてくれるんです。

二宮: 動作解析もやっているんですか。

管野: 特別な機械は使っていません。ですが、練習の時の走り方や試合中の走り方などを梅崎選手と映像で確認しているうちに、だんだんと選手のことがわかり始めました。

二宮:  “第三者の眼”がもたらすメリットは大きいでしょう。

梅崎: かなり大きいです。サッカーは単に走るだけじゃなくて、ストップ、切り返し、ターンなど細かい動きの連続です。先日、試合でスプリントから止まって相手のアクションについていく場面が複数回あったんです。僕としては同じように対応したつもりですが、1度だけ反応が遅れた。細かいことは言えませんが後で、管野が映像を使いながら反応が遅れた理由を教えてくれました。

管野: そのフィードバックをもとに「練習中からこういうことを意識してください」とアドバイスをさせていただいています。梅崎選手とはプレー中の姿勢や重心移動についてお話することが多いですね。

二宮: ドリブラーにとって体のキレは命ですから、細部にまでこだわっているんですね。梅崎選手はヘルニアで腰を手術したり膝の靭帯を断裂、損傷したりと過去に大きな故障も経験された。怪我から学んだことは?

梅崎: 怪我をきっかけに得た気づきもあります。やはり休養は大事。1週間の中でメリハリをつけることが大切です。若い頃はサッカーがうまくなりたくて積極的に自主練習をしていましたが、今は疲労がたまっていると感じたらスパッと切り上げます。心身を休めることがプラスに働くこともありますから。

二宮: オンとオフのさじ加減は難しいでしょう。経験を重ねないとわからない部分もありますよね。

梅崎: さじ加減は本当に難しいです。自分が今、何%の力しか発揮できていないかを理解することが大事です。例えば、60%の力しか発揮できない状態でフィジカルトレーニングをしても逆効果だったりします。体を“鍛える、補強する”ことと同じくらい“柔らかくほぐす、疲れを取る”ことも大切です。

二宮: 休養と同じくらい栄養も大事だと言います。クラブからの指導は?

梅崎: 僕と僕の奥さん、RIZAPの栄養士、そして管野でメール共有グループをつくってやり取りしています。食べた物を写真で送ったりしていますよ。

二宮: 奥様もですか?

梅崎: ええ。食事はコンディションづくりにおいて重要なので、うちの奥さんにも栄養士がアドバイスをしてくれるのは非常にありがたいです。

二宮: 梅崎選手の食事に対する意識はどうですか、管野さん。

管野: もともと栄養に関する知識が豊富なんです。

二宮: ご自身で勉強されたのですか?

梅崎: はい。怪我をして入院期間中に栄養学の本を買いあさって勉強しました。「疲れているから消化の良い食事がいいな。ならば、夕飯はこのメニューかな」と。

管野: 実は梅崎選手の栄養に関する知識の豊富さには、栄養士もびっくりしているんですよ(笑)。

<疲労軽減のための日焼け止め>

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二宮: 近年、酷暑と表現されるくらい夏は気温が上昇します。暑さ対策は?

梅崎: 日焼け止めは欠かさず塗っています。日焼けすると疲労感が増すと聞いたことがあるので。

二宮: 日焼けと疲労は関係があるようですね。

管野: 紫外線が体に与える影響はすごく大きいんです。疲労対策の一環で日焼け止めを塗るのは効果があると言われていますね。

二宮: そういえば管野さんもずいぶん日焼けしましたね。

管野: はい、だから毎日疲れています(笑)。

二宮: アハハハ。熱中症予防には睡眠も重要と言われています。梅崎選手が気を付けていることは?

梅崎: 少なくても8時間は寝るようには心掛けています。

二宮: 睡眠時間は長ければいい、というわけでもないでしょう。

管野: ええ。個人差はありますが、現在では睡眠の適正時間というものがあると言われています。

梅崎: 本来、90分の倍数で起きると目覚めがいいと言われていますよね。レム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)の周期が交互にくるから、と。知識として頭に入れておいた方がいいかなと思って本で勉強したんです。

二宮: 梅崎選手は2児(4歳の女の子と2歳の男の子)のパパです。お子さんが夜泣きしたりは?

梅崎: 下の子はまだ泣きますね。でも、僕の睡眠時間確保のために奥さんが子どもを見てくれます。とても感謝しています。

二宮: 梅崎選手はロシアW杯に出場した本田圭佑選手や長友佑都選手らと同い年ですよね。本田選手は「東京五輪に出場する」など意欲的な発言が多い。こういった発言は刺激になります?

梅崎: とても刺激になります。意識を高く持つ大切さを痛感します。それと今回のロシアW杯での長友選手のプレーにも刺激を受けました。

二宮: セネガル戦では乾貴士選手のゴールをアシストするなど、日本のベスト16進出に貢献しました。

梅崎: 一時期、フィジカル面で落ちてしまったかな……と心配したのですが、見事に復活を遂げて本番にアジャストしたなと。これは意識の高さの裏付けだと思います。

二宮: 管野さん、30歳を過ぎてもフィジカル面を向上させる方法は?

管野: 自分の体との付き合い方やメンテナンスの分野はすごく発達してきています。最近では、トレーナー業界で“ボディーワーク”という言葉が流行っていますね。

二宮: ボディーワークとは?

管野: いわゆる、体の使い方のことです。サッカークラブがピラティスやヨガの先生を招いて選手に取り入れさせる。フィジカルトレーニングだけでなく、体の仕組みに基づいて正しく動かせるようにするトレーニングが流行り出しています。

二宮: 意識の高い選手はサッカーだけでなく、いろいろなスポーツの要素を取り入れますからね。そういえば、子どもの頃に自然の中で野山を駆け回って遊んでいたという選手はボディーバランスが良い印象があります。

梅崎: 自分ではそれほどフィジカル能力が高いとは思いませんが、僕が通っていた幼稚園は山と隣接していました。家の近くに坂道があったので自主トレで走ったりしていました。育った環境とボディーバランス、フィジカル能力との関係性もありそうですね。

二宮: これまでコンディショニングについて話してきましたが、梅崎選手の意識の高さには改めて感服しました。ところで、梅崎選手にひとつお願いがあるんです。

梅崎: なんでしょうか?

二宮: 個人的には梅崎選手の“わがまま”なプレーが見たい。それは今のベルマーレに一番必要な部分だと思います。

梅崎: ありがとうございます! 勇気が湧いてきました。そういうプレーでチームを勝利に導けるように頑張ります。

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<梅崎司(うめさき・つかさ)プロフィール>

1987年2月23日、長崎県出身。2005年、大分トリニータU-18からトップチームに昇格。翌年にレギュラーに定着すると日本代表にも初選出された。2007年1月にはフランス2部リーグのグルノーブル・フット38への海外移籍を経て、2008年より浦和レッズに加入。キレ味鋭いドリブルを活かし、約10年在籍した。今季より湘南ベルマーレに活躍の場を移している。Jリーグ戦267試合出場、32得点。(数字は9月14日現在)

 

 

プロフィール

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二宮 清純

スポーツジャーナリスト
株式会社スポーツコミュニケーションズ代表取締役
1960年、愛媛県生まれ。
スポーツ紙や流通紙の記者を経てフリーのスポーツジャーナリストとして独立。オリンピック、サッカーW杯、メジャーリーグ、ボクシング世界戦など国内外で幅広い取材活動を展開中。
東北楽天ゴールデンイーグルス経営評議委員。日本サッカーミュージアムアドバイザリーボード委員。テレビのスポーツニュースや報道番組のコメンテーター、講演活動と幅広く活動中。

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