第9回RIZAP鼎談 ゲスト:武藤さくら選手、小畑江至ゼネラル・マネジャー(Bell7所属)

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ダイエットの先にある「健康」へのコミット――。次のステージを目指すRIZAPのトーク企画第9弾のゲストは湘南ベルマーレラグビーセブンズ、通称“Bell7”(7人制ラグビーチーム)の武藤さくら選手と小畑江至ゼネラル・マネジャー(GM)。Bell7のトレーナーを務める新井純輝さんとともに「コンディショニング」について語り合った。司会はスポーツジャーナリストの二宮清純さん。

 

<15人制と7人制の違い>

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二宮清純: 湘南ベルマーレは、サッカーを筆頭にラグビー、ビーチバレー、トライアスロン、サイクリング、フットサルと様々な競技を持つスポーツ総合クラブです。Bell7を結成したのは何年ですか?

武藤さくら: Bell7は2014年に結成されました。立ち上げ当初、女子メンバーは私を含めた3人でしたが、今は10名ほどのチームになっています。もっとラグビーが普及し、選手層が厚くなればいいなと思っています。

二宮: 先日、東京都と神奈川県のチームがエントリーする7人制ラグビー・地域リーグ「キャピタルウィメンズセブン」で優勝しましたね。おめでとうございます。

武藤: ありがとうございます。これまで2位だったのですが最終日で逆転優勝ができました。

小畑江至: この大会は3チーム、プラス招待チームの計4チームで競います。こういった地域規模で行われる大会が競技人口に比例して増えれば、と考えています。そのためにも我々がこの大会を盛り上げて情報をどんどん発信していきたいと思っています。

二宮: “セブンズの風は湘南から”と言ったところでしょうか。

小畑: Bell7がセブンズのリーダー格になれるよう、頑張ります! そのキャッチコピー、今度どこかで使ってもいいですか(笑)。

二宮: どうぞ(笑)。さて、競技についてうかがいます。同じラグビーでも、15人制と7人制では似て非なる競技でしょう。

武藤: 15人制と同じ広さのグラウンドを7人でカバーしなければいけません。どうしてもひとりひとりの運動量は多くなりますね。

小畑: ひとりがカバーする範囲が広いため、選手には複数のポジションをこなしてもらわないとゲームマネジメントが難しくなります。運動量が多い上に、フィジカルコンタクトも当然ある。体づくりが非常に重要な競技だと思います。

二宮: Bell7の選手を指導するにあたり、トレーナーとしてとりわけ意識していることは?

新井純輝: お2人が話したように、走力と筋力を同時にアップしないといけません。そのためフィジカルトレーニングに加え、関節の可動域を広げるトレーニングやストレッチも積極的に取り入れています。しっかりと年間計画を立ててトレーニングを積めばスピードを落とさずに筋肉量も増加させることができます。この点は競技特性上、かなり意識していますね。

二宮: 武藤選手ご自身はトレーニングの成果が出ていると実感していますか?

武藤: 相手に走り負けないようになってきたな、と感じています。

小畑: フィジカル面も向上していますよ。練習中に私が彼女のタックルを受けることがあるのですが、明らかに強く、重く、鋭くなっています。(タックルを受けて)「ウッ」と呼吸が詰まる時があるくらい(笑)。昨年から RIZAPのサポートを受けるようになって明らかに変わりました。

新井: 選手には肩にバーベルを担ぐようにして、スクワットをやってもらっています。武藤選手はサポート開始時より、20キロ近く重たいバーベルを担ぎながらスクワットができるようになりました。努力のたまものですね。

二宮: 20キロも!?

武藤: はい。体脂肪率は以前のままですが体重は増えました。数値を計ってみると筋肉量は増えていますし、スピードや体のキレは以前と変わらない。小畑GMには「試合でのパフォーマンスが明らかに上がっている」と褒められるので嬉しいですね。

二宮: 一方で「オーバートレーニング」に注意しなくてはいけない。

新井: そこです。Bell7の選手たちはチーム愛が強いため「私が成長すれば、チームが強くなる」と精力的にトレーニングに励んでいます。トレーナーとしては、まず体組成計で体重、体脂肪率を量り、次に血圧のチェックをします。また専用のアプリを使用して、選手のコンディショニングを管理し、さらに直接選手の主観もヒヤリングをしたうえで、極限まで肉体を追い込むか、50%程度に抑えた方が、または休むべきかを判断しています。

二宮: 今後の強化ポイントは?

武藤: 7分ハーフの試合を走り続けられるスタミナをつけることと簡単に倒れされないことですね。

新井: Bell7を指導し始めた当初、武藤選手はバランスボールに乗ることさえできなかった。それが今では1分以上、乗れるようになっています。それに加え、姿勢を矯正できれば、より呼吸がしやすくなり試合中に息が上がるのを防げるはずだと考えています。

小畑: 我々の考えるトレーニングとフィジカルに特化した課題点をRIZAPと一緒になり、改善していければウチのクラブはもっと強くなると思っています。選手たちにはまだまだ伸びしろがたくさんあります。

 

<1日に3試合を消化>

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二宮: 15人制とのマネジメント面での違いは?

小畑: セブンズの大会は1日に3試合くらい消化します。朝の9時に試合をこなし、2時間ほど空き、また試合。夕方にもう1試合。そして、翌日もゲームが組まれている。この点が15人制とは大きく違う。

二宮: ウォーミングアップ、試合、クールダウン。また時間を空けてこのセットを繰り返す。肉体的にも精神的にもかなり負担がかかる。

小畑: そうなんです。朝から夕方までずっと緊張状態を維持することは、パフォーマンスを低下させかねません。セブンズは気持ちの切り替えがキーになるスポーツだと思います。初戦で負けても、また2時間後には次の試合がやってきますから。

武藤: 初日の戦績によって2日目の日程が決まることもあります。選手には何が起きてもブレずに平常心でいられる心の強さが求められる競技だと思います。

小畑: マネジメント側としてはもう1点、15人制とは違うなぁと感じることがあります。

二宮: それはどんな点でしょうか。

小畑: 大会にもよりますが、試合の選手エントリー人数はだいたい10~12人まで。初日の1試合目に誰かがケガをしてしまうと私たちのプランが狂ってしまう。だから、セブンズの選手たちには複数のポジションをこなしてもらわないと、チームが機能しなくなってしまうんです。

二宮: 武藤選手のポジションは?

武藤: これまでバックスをメインにやってきましたが、今は司令塔のスタンドオフを務めています。ひとりが様々な役割をこなすこと、スペースを活かしたダイナミックなランニングやパスワークがセブンズの魅力かなと、私は思っています。

 

<栄養指導の成果>

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二宮: ゲーム展開がスピーディーで攻守の切り替えの速さがセブンズの醍醐味ですよね。これだけ消耗が激しいスポーツだと栄養面も大事になってきます。

新井: 先ほど申し上げた専用のアプリを使い、食事の写真をRIZAPの管理栄養士に送ってもらい、それに合わせて個々にアドバイスをしています。

武藤: RIZAPから食事指導を受けるようになり、私の食生活にも変化がありました。

二宮: 具体的には?

武藤: 元々、野菜嫌いだったんですが積極的に食べるようになりました。今ではチームメイトと食事をする際、「これを食べるのは止めておこう」「この食材は食べよう」と話しながら選ぶようにしています。私も含め、食事に対する意識がワンランク上がりました。

二宮: パフォーマンス向上につながっているとの実感は?

武藤: あります! かつて、試合中によく貧血を起こしていましたが、昨年から栄養指導を受けるようになり、今年は貧血を起こすことは1度もなかった。私はサプリメントに頼らず、食事だけで栄養を摂取しているので、専門家からのアドバイスには助けられています。

二宮:  RIZAPはトレーニングや栄養学のノウハウを駆使し、選手のハイパフォーマンスを引き出すだけでなく、疲労回復などハイメンテナンスの一役も担っているような印象を受けます。

小畑: 疲労回復でいえば昨年1月、平塚にオープンした RIZAP Lab for Athleteに設置されている低酸素ルームも活用させてもらっています。

二宮: 低酸素は心拍数を上げるための高地トレーニング的な要素があると言われています。

新井: おっしゃるように低酸素の環境で長時間トレーニングをすると、高地トレーニングと似たような作用があります。あえて酸素の供給量を制限することで疲労回復の作用があるんです。低酸素ルームで酸素の供給量を制限してから通常の酸素状況下に戻ることでより疲労回復効果が高まるという理屈です。

 

<W杯の追い風を活かせ>

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二宮: 昨年のラグビーW杯日本大会で日本代表がベスト8に進出するなど、この国のラグビー熱は飛躍的に高まりました。この追い風をセブンズにも活かしたいですね。

小畑: 競技人口も増えています。2015年、女子セブンズの競技人口は2500人だった。それが2018年までの数字ですが4500人に増えている。加えて昨年のあの盛り上がり。ラグビー界にとっては今がチャンスだと感じています。

二宮: 具体的にどの年齢層の競技人口が増えたのでしょうか。

小畑: 小学生と高校生の競技人口が増えたようです。課題は中学生の競技人口増加と、競技を継続して続けられる環境づくり。各地域、セブンズの選手たちが活躍できる場所を作らなければいけません。

武藤: 近年では他競技から転向してくる選手も増えています。ボールのキャッチがうまいなぁと思ったらバレーボール経験者だったり、スピードがずば抜けていると思ったら陸上経験者だったり。そういった他競技から転向してきた選手の長所をセブンズの戦術に組み込めれば、さらに面白い試合が披露できそうです。

新井: 我々のサポートの質によって選手のパフォーマンスが左右されると強く感じています。さらに効果的なトレーニングやアドバイスができるように私も最善を尽くします。

二宮: 武藤選手、今後の目標は?

武藤: 私は今、26歳なのですができる限りセブンズを長く続けたい。今後もし、結婚し、出産をしても現役に復帰したいなと考えています。

二宮: 出産、子育てを経て現役に復帰するアスリートはたくさんいますからね。 RIZAPのサポートがあれば、より現実味が増しますね。

武藤: その時もぜひ、よろしくお願いします(笑)。

新井: こちらこそ!

 

<武藤 さくら(むとう・さくら)>

1993年、神奈川県出身。小学5年生の時にタグラグビーを始める。高校時代にはニュージーランド、ロトルアガールズハイスクールへの留学を経験した。14年、湘南ベルマーレラグビーセブンズ、通称“Bell7”の創設時からのメンバーで主将を務める。19年、第74回国民体育大会・神奈川県成年女子代表に選出された。同年、Bell7の地域リーグ「キャピタルウィメンズセブン」の優勝に貢献した。ポジションはバックス、スタンドオフ。

<小畑 江至(おばた・こうじ)>

1969年、京都府出身。中学2年生でラグビーを始める。東山高校、龍谷大学のラグビー部に所属。卒業後は教師として、中学生、高校生を指導した。02年、本田技研工業鈴鹿製作所ラグビー部のコーチに就任。14年、Bell7を立ち上げ、ゼネラル・マネジャー職に就いた。

<二宮 清純(にのみや・せいじゅん)>

1960年、愛媛県生まれ。スポーツジャーナリスト。株式会社スポーツコミュニケーションズ代表取締役。スポーツ紙や流通紙の記者を経てフリーのスポーツジャーナリストとして独立。オリンピック、サッカーW杯、ラグビーW杯、メジャーリーグ、ボクシング世界戦など国内外で幅広い取材活動を展開中。広島大学特別招聘教授。大正大学地域構想研究所客員教授。テレビのスポーツニュースや報道番組のコメンテーター、講演活動と幅広く活動中。

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