大豆や卵黄に含まれるレシチンは、私達の身体のほぼすべての細胞に含まれるリン脂質のひとつ。人間の体を動かす基本的なエネルギーを生み出し、脳の情報を身体に伝える神経伝達物質を構成している必要不可欠な栄養素です。体内のレシチンが不足すると、悪玉コレステロールがたまり、身体のめぐりが低下する原因になります。
アメリカでは、レシチンを供給源とするコリンに対し、成人女性で1日425mgという推奨摂取量が定められています。しかし、日本人の平均的な食生活で摂取できるコリンの量はおよそ300mgといわれ、1日あたり、125mgも不足している計算になります。
そこで今回は、“脳とダイエットに効く油”レシチンを、自然と毎日の食生活に摂り入れられる、ヘルシーな豆腐マヨネーズの作り方をご紹介します。
大豆レシチンと卵黄レシチンの違い
レシチンは、植物性の大豆レシチン、動物性の卵黄レシチンの2つに大きく別れています。
同じレシチンのため働きや効果に大きな違いはありませんが、それぞれ含まれる成分のバランスが異なるため、目的に合わせて使用するサプリメントでは、それぞれ別の種類が販売されています。
卵黄レシチン…主に”脳の栄養”に
卵黄に含まれる卵黄レシチンは、大豆レシチンに比べ、記憶力や集中力、神経系に関与する成分『ホスファチジルコリン』が多く含まれていることから、脳機能を改善させる効果を得意としているレシチンです。
大豆レシチン…主にダイエットや健康目的で
大豆に含まれる「大豆レシチン」は、血管の中に長く留まる性質を持っています。そのため血管の老化現象である動脈硬化や高脂血症や心臓病の予防、そしてメタボリックシンドロームの大きな原因・LDL(悪玉コレステロール)の抑制などで活躍する、ダイエット効果が期待されるレシチンです。
レシチンがダイエットに注目を集める理由
レシチンの大きな特徴は、水と油を結びつける「乳化作用」が挙げられます。マヨネーズは、主に酢と油、そして卵でできています。本来は混じり合うことのない酢と油が分離せずに結びついているのは、卵黄に含まれるレシチンのもつ天然の乳化作用の働きです。
この水と油の両方に馴染むレシチンの特性により、血管の内側にこびりついた余分なコレステロールを溶かし、細胞の老廃物を血液中に流す「身体の掃除役」としての役割を担っています。また、この乳化作用は人間のお肌や内臓、脳や神経など身体のあらゆる細胞膜に取り込まれた脂質をたんぱく質と結びつけ、全身のエネルギーへ変える大切な役割を果たしています。
レシチンの乳化作用でヘルシーに!豆腐マヨネーズの作り方
卵黄はレシチンを豊富に含みますが、卵自体もコレステロール値が高く、またレシチンは熱に弱いため料理から補いにくいのが難点です。
毎日の食事で不足しているレシチンを補うなら、大豆食品をメインに増やしていくことが大切です。
大豆に含まれるビタミンEはレシチンを酸化しにくくする作用があり、さらにレシチンにはビタミンEの吸収を助ける働きがあります。強い抗酸化作用をもち、“若返りビタミン”とも呼ばれるビタミンEと、“身体の掃除役”レシチンの相乗効果をもつ大豆は、まさに理想的な食品なのです。とはいえ豆腐や納豆を、毎日食べ続けるのはつらいもの。そこで、大豆レシチンの乳化作用を活用して、毎日の食卓でどんな料理にもあう調味料・マヨネーズを卵から豆腐に置き換えた、低カロリーでヘルシーな豆腐マヨネーズの作り方をご紹介します。
材料(豆腐一丁分)
材料 | 分量 |
---|---|
木綿豆腐 | 1丁(350g) |
オリーブオイル | 大さじ4 |
酢 | 大さじ1 |
レモン汁 | 大さじ1 |
イエローマスタード | 小さじ1 |
砂糖(ラカントS) | 小さじ1 |
塩 | 小さじ1 |
黒コショウ | 少々 |
作り方
- 豆腐一丁を厚手のキッチンペーパーにくるみザルに置いたら、受け皿をして水切りします。
- ミキサーやフードプロセッサーに全ての材料を入れて撹拌し、クリーミーなペースト状になれば完成です。
プロセッサーなどがない場合は、泡立て器でも代用可能。豆腐は水切りするとおよそ270g、2/3程度まで縮みます。上に重しを乗せて冷蔵庫で1~2時間放置するか、キッチンペーパーにくるんだまま、電子レンジ(500w)で3分間加熱すればしっかり水切りできます。
しっかり密封して冷蔵庫で保存すれば、1週間程度は日持ちします。ほんのりマスタードの効いたほどよい酸味とサッパリ感で、ブロッコリーやアボカド、スモークサーモンにも相性抜群のヘルシー調味料の出来上がりです!簡単に作れて、ダイエット中にも安心して使えるヘルシーな豆腐マヨネーズ、お家の調味料のひとつにプラスしてみてくださいね。