炭水化物と糖質の違いって一体何?と疑問に感じる人も多いはず。 実は、その違いは食物繊維に隠されています。ここでは、炭水化物と糖質の違いや血糖値をあまり上昇させない糖があること、糖質制限ダイエットは本当に安全なのかについて解説します。
炭水化物と糖質の違いは何?
まず初めに炭水化物と糖質の違いを説明すると、その違いは食物繊維の有無にあります。
炭水化物は、糖質と食物繊維で構成されたもの、つまり、糖質+食物繊維=炭水化物なのです。
- 炭水化物
- 糖質と食物繊維で構成されたもの
- 糖質
- 砂糖などの糖類+オリゴ糖、でんぷんなどの三糖類 + 糖アルコール
市販商品の裏にほぼ記載されている栄養成分表示では、「炭水化物」として表示されていることもあれば、「糖質」と「食物繊維」と分けて表示されている場合もあります。
炭水化物に含まれる食物繊維は、体内で消化・吸収されにくいことで血糖値も上がりにくく、さらに腸内環境を整えるなど、ダイエットにとってプラスの働きをしてくれます。
炭水化物の中でも、糖質が多く食物繊維が少ないものもあれば、糖質が少なく食物繊維が多いものもあり、炭水化物と糖質とでは大きな違いがあることが分かるかと思います。
なんとなく同じと思いがちな炭水化物と糖質ですが、食物繊維というダイエットに必要な栄養素があるか無いか、という大きな違いがあります。
炭水化物と糖質には違いがあり、本来制限すべきは糖質でありますが、その糖質を多く含む食品はどういったものがあるでしょうか?
また、ついつい多く摂取してしまいがちな糖質ですが、1日の糖質摂取量はどれぐらいがいいのでしょうか?
糖質を多く含む食品
まず糖質と聞いて思い描く代表的な食品は、砂糖ですね。そのままのイメージ通り、砂糖はそのすべてが糖質です。
そして、主食である米も、糖質を多く含む食品です。お米には三糖類であるでんぷんが多く含まれています。
また、同じく主食のパン類にも多くの糖質が含まれています。パンの原材料は、小麦粉はもちろん砂糖も多く使われており、非常に多くの糖質を摂取することになってしまいます。
その他には、小麦粉が原材料のほとんどをしめるあ麺類、果物ではバナナやマンゴーなども糖質を多く含む食品です。
糖質の摂取量はどれくらいがいいの?
次は糖質の1日の摂取量を解説します。
脂肪の原因である糖質ですが、糖質は人が生きていく上で、必要な栄養分でもあります。なぜなら糖質を分解することでできるブドウ糖は、脳や体を動かすエネルギー源だからです。
厚労省のデータでは脳や体を動かすためには、1日およそ100gの糖質がエネルギー源として最低でも必要だと推定されています。
つまり、1日の糖質の摂取量の目安はこの「100gとなります。糖質制限を行う場合も、この100gを基準にすると良いでしょう。
血糖値をあげない糖質「糖アルコール」って?
血糖値を急激に上げてしまうことで、すい臓から「インスリン」というホルモンが分泌され、エネルギーとして使い切れなかったものが脂肪として定着していまいます。そして、その血糖値を急上昇させてしまうのが、「糖質」です。
おなじみの砂糖をはじめ、ぶどう糖やでんぷんなどは血糖値を急上昇させてしまうことで、結果的に太ってしまいます。
しかし、ブドウ糖など血糖値を上げる糖質だけではなく、実は、血糖値を上げない糖質もあるのです。
それが、糖質甘味料に分類される「糖アルコール」という糖質です。
甘味料と聞くと人工的なものをイメージしてしまいがちですが、糖アルコールは、ゼロカロリーなどの飲料によく使われる「人工甘味料」とは違い、元々自然界にある天然由来の成分で、より安全な甘味料であることが分かっています。
この糖アルコールの最大の特徴は、体内で消化されにくく吸収されにくいこと、低カロリーであることです。
砂糖と比べると、糖アルコールのカロリーは約1/2~2/3。それだけ太りにくいということが分かるかと思います。
また、消化・吸収されないということは、すなわち血糖値を上げにくいという特徴にもつながります。中には全く上がらない糖アルコールの種類も存在します。
血糖値が上がらないということは、インスリンを分泌させないことであり、糖アルコールは太りにくいダイエットに適した糖質であるといえます。
糖アルコールを含む食品・商品
糖アルコールの代表的なものには、ステビアやエリスリトール、また有名な物にはキシリトールなどがあります。
ガムに含まれていることで有名なキシリトールですが、実は野菜や果物など多くの食品にも含まれている糖アルコールです。
果物ではイチゴやラズベリーなど、野菜ではレタスやホウレンソウ、カリフラワーなどに含まれています。
ソルビトールは、食品や飲料への添加物として使用されることが多い糖アルコールです。 リンゴや梨、桃などの果物に含まれています。
また、保湿性があることから化粧品やスキンケア商品などに使用されることもあります。
ただ、この2つは砂糖の約半分ほどのカロリーしか抑えられず、血糖値もその分上昇させてしまう糖質です。
逆に、糖アルコール類で唯一血糖値を上昇させないのがエリスリトールです。熱にも強いため、砂糖の代用としてたくさんの商品に使われます。
エリスリトールは、メロン、梨などの果実だけでなく、キノコ類や、味噌・ワインなどの発酵食品にも含まれています。
全く血糖値を上昇させない糖アルコールなので、糖質制限では最も役に立つ糖質といえます。
糖質制限ダイエットや炭水化物抜きダイエットは体にいいの?安全性は?
糖質制限ダイエットや炭水化物抜きダイエットと聞くと、本当に体に害はないのか?安全なのか?という疑問をお持ちの人が多いように思います。
結論から言うと、糖質制限ダイエットや炭水化物抜きダイエットは、間違った方法を行わない限り体にとって安全なダイエット方法です。むしろ、糖質を制限することは血糖値の急激な上昇を防ぐことになり、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こすリスクを減らすことができます。
炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質の三大栄養素のうち糖質だけが血糖値を上昇させます。
糖質を摂取しなければ食後の急激な血糖値の上昇が起こることはなく、血糖値は常に正常な状態を保ってくれるのです。
このように、糖質制限ダイエットや炭水化物抜きダイエットが私たちの体にとって、十分に安全なダイエット方法であるとわかります。
しかし、もちろん注意点も存在します。それは栄養が偏ってしまいやすいこと。
主食である炭水化物(糖質)を制限することで、必然的に他の栄養素でエネルギーを補うことになります。その中心が、脂質とたんぱく質です。
お腹いっぱい食べようと思うことで特に肉食になる人が多く、肉に含まれる動物性の脂質が中性脂肪や悪玉コレステロールを増加させてしまいます。
中性脂肪や悪玉コレステロールが血中に増え過ぎると、動脈硬化や脳梗塞を招く恐れがありますので、なるべく野菜を多く摂るよう心掛けてください。
ただ、それだけの中性脂肪や悪玉コレステロールを増加させる大きな原因としては、長期間そういった食生活を継続することにあります。
通常、糖質制限ダイエットや炭水化物抜きダイエットは2ヶ月以内までとし、そこから通常の食生活に戻していきます。
この期間を守らずに半年や1年以上続ければ、当然体の安全性は損なわれてしまいます。
また、脂質やたんぱく質とは逆に不足しまいがちな栄養素があります。
それは、食物繊維です。
冒頭でも解説したように、炭水化物は糖質と食物繊維で構成されています。炭水化物を制限することで、同時に食物繊維も制限されることになっているのです。食物繊維が不足すると、便秘になってしまいます。
特にたんぱく質を大量に摂取している状態だと、腸内環境はどうしても乱れがちになります。それに加えて食物繊維まで不足すると、腸内環境は非常に悪い状態となってしまいます。
糖質制限ダイエットや炭水化物抜きダイエットは、意識的に食物繊維を摂る必要があります。しそや納豆、おからなど、食事に取り入れやすい物を選んでしっかりと摂取しましょう。
こういった注意点さえしっかり守ることができれば、糖質制限ダイエットや炭水化物抜きダイエットは安全に行うことができます。
さらに糖質を制限することで、病気のリスクを回避することにも繋がっているのです。
まとめ
いかがでしたか?ほぼ同じと思いがちな糖質と炭水化物の違いを理解することで、よりダイエットの理解が深まったのではないでしょうか?
食物繊維の有無や、食物繊維の重要性を知ることで、より安全に糖質制限ダイエットや炭水化物抜きダイエットを行うことができるのです。
また、糖質でも血糖値を上げないダイエットに適した糖アルコールという糖質が存在します。糖アルコールを含む食品を知ることで、糖質制限ダイエットや炭水化物抜きダイエットの食事の幅がより広がります。
ただ、糖質制限ダイエットや炭水化物抜きダイエットにも注意点があることも分かりました。
この注意点がどうしても心配という人は、専門家の指導のもと糖質制限ダイエットや炭水化物抜きダイエットを行うと良いでしょう。
専任トレーナーや栄養士などプロからのアドバイスを常に受けながら糖質制限を行えるライザップで、安全にダイエットしてみてはいかがでしょうか。